釣りに夢中になっているとついつい...
| ◆ 磯場 ◆ | ||
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たいていの磯は足場が悪いものです。 平らな所は無いと言っていいでしょう。 つい釣りに夢中になっていると、魚を掛けたときのやり取りに、より有利な場所を選択してしまうものです。 より先端へ、より磯際へと。それでも初めのうちは、自分自身でもその危険に対して警戒し、充分に注意することを意識します。 しかし、それも2〜3回の経験をするうちに薄れてくるものです。 これが最も危険な状態「慣れ」なのです。 磯場を走ったり、飛び移ったり、飛び降りたり...磯場慣れしている釣り名人に見えるかも知れませんが、まさに「事故」と隣り合わせの行動だと言えるでしょう。 磯場では慎重すぎるということはありません。 充分に注意をして釣りをしましょう。 |
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| ◆ 防波堤 ◆ | ||
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防波堤...といえばその名の通り、波を防ぐためにコンクリートで造られた沖に伸びている堤であり、広く平らで、大勢の人が釣りを楽しめる所と言えるでしょう。
こんな長閑な防波堤にも危険は潜んでいます。 沖合に伸びている先端部では、たいてい早い潮流が流れています。
もし、海へ落ちてしまったら、みるみるうちに沖へと流されてしまうでしょう。
しかも防波堤には、落ちた人が取りつけるような余分な出っ張りがありませんし、水深もかなりあります。 |
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| 必ずフローティングジャケットは着用するようにしましょう! | ||
(平成17年2月25日 「海上保安庁」 資料より)
マリンレジャーに伴う海浜事故者数を事故内容別に見ると、遊泳中が320人(38%)でもっとも多く、次いで釣り中243人(29%)、磯遊び中89人(11%)の順となっています。
事故内容別の死亡・行方不明者数は、遊泳中が116人(38%)でもっとも多く、次いで釣り中109人(36%)、磯遊び中50人(16%)の順となっています。
(平成17年2月25日 「海上保安庁」 資料より)
| 事故例 A |
<墜落による死亡事故> 磯場 |
Aさんは釣りをしていて高い磯場から下へ転落した。 同行者のBさんはすぐに警察へ緊急連絡をし、救助と救急を要請した。 高い磯場からの救助を試みたものの無理と判断し、船で沖から救助することになった。 ようやく救助されたAさんの意識はあるものの、手と足をそれぞれ骨折している上に頭部損傷の危険性もあるので、すぐにヘリで病院へ緊急搬送された。 しかしAさんは3日後に息を引き取ってしまった。 死亡に至った原因は、転落時に折れた肋骨が内臓に刺さり、それが致命傷となったのである。 |
| 事故例 B |
<高波に流された死亡事故> 防波堤 |
はるか沖合いを台風が通過した後の、ややうねりの残る日にCさん親子が防波堤を散歩中、突然の高波にCさんの娘が流されて海中に投げ出されてしまった。 Cさんは娘を助けようと海に飛び込んだが、助けることも出来ずに2人とも死亡してしまった。 |
| 事故例 C |
<転倒による骨折> 磯場 |
Dさんは、釣竿、バッグ、エサなどの荷物を抱えて釣場に向かう足場の悪い磯場を歩いているとき、バランスを崩し転倒してしまった。 荷物を抱えているため両手が使えず倒れこみ、左膝を骨折してしまった。 |
| 事故例 D |
<海中に転落> 磯場 |
海面まで約20メートルの高磯からEさんがヒラマサ釣りをしていたところ、間違って足を踏み外して転落、海に落ちてしまった。 それをたまたま目撃した地元の釣り人が慌てて港へ駆け込み漁船を出すよう助けを求めた。 海に漂っていたEさんは、ほどなく救助され大事には至らなかった。 秋とはいえまだ暖かい日のことだった。 |
マリンレジャーに伴う海浜事故者数は、平成15年に比べ95人増の835人で、大幅に増加しました。そのうち死亡・行方不明者数は、平成15年に比べ46人増の306人となっています。
年々確実に海浜事故者数は増加傾向にあることがわかります。

忙しい合間にいろいろ調整してせっかく取得した休暇を利用しての釣行計画ですから、誰でも「魚」を釣りたいのです。「いい釣り」をしたいのです。その強い願望(欲望)で多少の無理やリスクを押し通し、「自然界」に身を置いたにもかかわらず、普段の注意力のまま、釣りにだけ集中してしまうとき、事故につながってしまうケースが多いようです。
ですから、事故を起こさない為にも、事故に遭わない為にも、釣り人ひとりひとりが充分に注意をすることが必要です。
釣り場に入ったとき、誰よりも先に竿を出すことより、その釣り場で想定し得る危険に対して、対応策をあらかじめ考えておくことと、絶対に単独での釣行はしないこと、また同行者とは安全に関する意識合せも行ない、”いざ”というときには助け合うことが大事です。
そして何よりも釣りをするときは、必ずフローティングジャケットを確実に着用し、ロープや携帯電話(防水パックに入れる)など、もしものときの安全装備を忘れないようにしましょう。
楽しいはずの「釣り」が一転して悲しい出来事になってしまう”事故”。 |
| ◆事故につながる起因や原因◆ |
| @ 二日酔い、疲れ、寝不足、風邪気味などの体調不良 A 釣り座に不適なポジショニング B 気象や海況、潮汐などの情報不足 C 釣りに不適な装備、または装備不足 D 「大丈夫だろう」と曖昧・安易な判断 F 過信 G 竿やウキのアタリに集中しすぎる、周りへの注意力欠如 H 飛び降り、飛び移りなどの危険な(軽はずみな)行動 I 単独での釣行(行動) J 他の釣り人や漁業関係者などとの人為的なトラブル K その他 |
| 事故につながるどの原因も結局は釣り人自身の判断ミスがトリガー(起因)となっています。 |
判断基準というのは、その人の知識と経験でしかありません。 |
| <ベテランさんと常連さん> |
ベテランさんとは、釣りが大好きで、釣行の回数も経験も多い釣り人のことであり、 |
| <釣座を選ぶ時> |
釣り人は一日中「釣り」をすることを目的にしていますので、釣座を選ぶ時には先ず、 |
| <人間界と自然界> |
私なりの解釈ですが、「人間界」とは人間の生活が存在している場所であり、釣りのフィールドとしては、人の生業のため人工的に造られた防波堤や港周辺などは「人間界」に属します。 反対に人間が介入していない人里離れた前人未踏・未開の場所が「自然界」です。 魚影が濃い秘密の場所というのは「自然界」ということになります。 |
油断をすると...
ふぅ。危なかったぁ
事故の現状
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発生状況 |
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マリンレジャー中の事故者は、 |
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マリンレジャー中の事故者は、事故者総数835人のうち、土曜日および日曜日に422人(51%)が事故に遭っています。 |
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生存率 |
釣り中に事故に遭う人のうち、ライフジャケット着用者は未着用者の生存率に比べ大幅に高いことがわかっています。 |
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釣り中の事故者では、ライフジャケットを着用していた65人の生存率が75%(49人)であっ たのに対して、ライフジャケットを着用していなかった178人の生存率は48%(85人)となっています。 |
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事故原因 |
| 釣り中の事故のうち、「転倒」が最も多い原因です。 | |
釣り中の事故原因は、転倒がもっとも多く(50%)、次いで孤立(18%)、波に引き込まれ る(16%)となっている |
| ◆事故の通報◆ | |||||
| 釣り中に事故が発生し、 早急に救助を必要とする場合、 直ちに最寄の 海上保安庁 警察署 消防署 等へ緊急連絡をする。 |
緊急連絡の際の要領 | ||||
| 1.事故の発生状況 | |||||
| 2.発生場所と時間 | |||||
| 3.事故者の情報(氏名・年齢・特徴・着衣の色など) | |||||
| 4.救助の緊急性 | |||||
| 5.現在状況 | |||||
| 6.通報者の氏名 | |||||
| 7.発生現場との連絡方法と連絡先 | |||||
| あなたの命を守る3ヶ条 | 1. ライフジャケット着用 | ||||
| 2. 118番通報 | |||||
| 3. 携帯電話に防水パック | |||||
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磯の踊り子