新しい年に備えて新しい手帳を手に入れ、早速カレンダーに釣行予定を書き込む。 10月下旬のことである。 @基本は連休 A月に一度 B場所は伊豆七島  ・・・こうして次のシーズンの釣行計画が決まっていく。 ほんの30分ほどで決定した1年間のスケジュールは、よほどの事がない限り変更しない。 直前の「釣れてる」情報に動くこともなく、あくまでもマイペースに。 釣りが仕事でないかぎり、釣りを主体に自由に釣行計画を組み立てることはできないのであるから仕方がない。 いっその事、離島に住み、離島で生計を立てられれば...とも思う。 しかし今のところ具体性は無い。
                                
さて、伊豆諸島には本土に最も近い位置に大島があり、島へのアプローチは空路と海路の2通り。 ジェット機(B737)が離着陸可能な空港があり、羽田空港から、調布空港から、八丈島空港からと日に数便が就航している。 また一方、大島の海の玄関口として岡田と元町に港があり、大型客船や高速ジェットフォイル船を使って渡島することが可能である。 空と海の航路が完備されている点では八丈島も同じである。 
海が駄目でも空がある、また逆も然り。 と、航路が確立している点で大島や八丈島は釣行計画を立てやすい所といえるだろう。 

では、伊豆七島に属す7つの島には何島があるのだろうか?
本土に近い順から、大島・利島・新島・式根島・神津島・三宅島・御蔵島・八丈島・青ヶ島となる。 「オート新式、降参、蔵八青」・・・なんて並べると覚えやすですね。
そして、お気付きだろうか? 9島で伊豆七島ということを。 これには様々な説があるが、
遠いむかしには伊豆五島とか伊豆八島とも言われていた時代があり、江戸時代の終わりころになって「伊豆七島」と呼ぶようになった。 これが一般化したのだと言われている。 しかし現在では、人が住んでいる島は9島あるため、どの島を以って「伊豆七島」なのかは差別だとする議論があり、総じて「伊豆諸島」と呼ぶ傾向にある。 ちなみに、一般的には式根島と青ヶ島を除く7島で「伊豆七島」とする事が多い。 


春夏秋冬の一年が過ぎるのは早いもので、魚種それぞれのベストシーズンは、気がついたら始まっていて、絶好のチャンスを逃してしまうことがある。
「シマアジが来ている。」の情報にいっせいに沸きだすのは初夏ごろだろうか。 島の桟橋は竿がひしめき合い、あながち”芸者の簪(かんざし)”状態になる。 それで本命の”シマアジ”は釣れているの? かと言うと、そうでもないらしい。 が、一人でも釣り上げると何処其処で”シマアジ”が釣れるとの噂がたちまち島中に流れ、多くの釣り人が押し寄せてくる。 

春から晩秋にかけては、磯釣り...底物と言われる”イシダイ”・”イシガキダイ(クチジロ)”狙いの釣り師が島にやってくる。 ここ数年、底物の数が減り、中々釣り上げることが出来ず、”幻の魚”になりつつあるのかもしれない。 三宅島では4年半の間、人の手が入らず島周辺は自然に保たれ、本来の生態系が育まれ豊かな自然に還っている。 2005年春の帰島直後には、桟橋でストリンガーにつながれた”クチジロ”を何尾も見ることが出来た。 

磯のウキフカセ釣りも然り、メジナが「釣れる」となったらドッと釣り人達が押し寄せてくる。 こうだから、シーズンともなると島へ向かう空からも海からも釣り人達で予約が殺到する。 客船の予約は乗船日の2ヶ月前から受付が開始されるが、ボヤボヤしていたら席が確保出来ないほどである。 




釣行計画を立てる際に最も重要なのは、 1.釣行先 2.釣行日 3.交通手段 4.宿泊先 5.予算 である。 行く日を2〜3案決めたら、それぞれの日の交通機関の空席情報を確認し、宿泊が必要ならば同時に宿泊先の空室状況も確認する。 この中でベストな日程を決定し、航路と宿泊の予約を入れる。 ここまでの手配が済んでしまえば、ほぼ9割方の計画は済んだといえるでしょう。 航路の空席状況などは、インターネット上で確認できますが、宿泊については宿へ直接問い合わせする場合が多いでしょう。 

                   

いい釣行にするための条件には、 1.時期 2.天候 3.潮汐 こういった自然環境も計画のうちに考えなければなりません。 ただし、2.天候 ばかりは「神のみぞ知る」...ですから何とも言えません。 釣行日をにらんで週間天気予報などでこまめに天候のチェックをしましょう。 せっかく立てた計画だからといって、悪天候を押しての無理な釣行は、決していい結果は得られないはずですから、中止や延期することも大切です。

青物のシーズンとなる夏から晩秋にかけての時期に一番の厄介者といえば“台風”です。 
台風の襲来は、この時期の釣行計画を大きく狂わせてしまいます。 まして直撃となると、波の高さは優に8メートルを越し、風速は40メートルにも達します。 どんな大型船でもこればかりは避けなければなりません。 
余談になりますが、25メートルの波を想像できるでしょうか? 世界の海を航海した経験があり、実際に遭遇した方からの話では、その時ばかりはさすがに“死”を覚悟したそうです。 ひと波きりならともかく、立て続けて20メートル級の波の中での航海は、たかが5メートルの波にビビッてる私の想像を遥かに超えてしまっています。 まあ、日本近海では遭遇することもないでしょう。


ここまでまとまりも無く、思い浮かんだことを書きなぐりましたが、言いたいことは...
立案した釣行計画は、様々な条件を満たして初めて実行に移すこと。 いい釣りを楽しむためにも余裕のある計画を立てること。 の2点です。 
そうこう言っても、どこに行くか、予約したり、仕掛けを作ったり、 ”計画” すること自体が楽しいんですよね。


                                          2006年12月11日
                                                

釣行計画

磯の踊り子